英語とは無縁だった理系大卒社会人が勉強の末、英検1級に合格することができましたので、その勉強法について書いていこうと思います。
留学経験なし、独学でもしっかり対策すれば英検1級に合格することができます!
留学経験なし、理系出身者が英検1級を受験しようと思った経緯
大学を卒業して社会人となり、昇進や転職の際に役立つと考え、定期的に資格を取っていこうと考えていました。王道で分かりやすい資格はやはり英語だと思い、TOEICや英検の取得を考えました。どうせやるなら他と差別化を図ろうと、TOEICなら900点以上、英検は1番難しい1級を目標にしました。
TOEICはビジネス関係では英検より有効な資格だと思いますが、英検は面接試験などもあって英語の総合力を高められそうであること、また英語力を図る指標として第三者が聞いて分かりやすい資格であると思い、取得を目指しました。
英語は大学の一般教養で学んだのを最後にまったく勉強しておらず、留学経験等もなかったので英検を受けるまで英語を喋った経験すらありませんでした。なので大学受験で勉強したことを思い出しながら、まずは英検準1級の合格、その後英検1級を目指しました。1級合格は、準1級レベルの単語力や文法力がなければ難しいと思うので、まずは準1級を受験することをおすすめします。準1級は割とすんなり合格することができたのですが、1級はやはり最難関の級であることもあり、準1級と比べて大きな差があることを痛感しました。。
英検1級に合格したのは2021年度第1回の試験で、少し前の話にはなりますが、合格するために使った参考書などを書いていきたいと思います。
英検1級の勉強法
1次試験
リーディング
単語
大問1は語彙問題で25問あり、個人的にここは得点源にするところだと思います。1級の単語は、純ジャパにとってはこれまで見たこともないようなものばかりでレベルが高いですが、覚えさえすれば必ず解けるようになります。また語彙問題で出てくるような単語は、その後の長文問題で出てくることがあり、ライティングやスピーキングでも難しい単語を使えると得点アップに繋がります。そういった点を考えても、単語の勉強はコスパの良い部分だと思います。
使った参考書は、以下の2つです。
・英検1級でる順パス単
・究極の英単語 Vol.4 超上級の3000語
「英検1級でる順パス単」は、英検の問題を作成している旺文社が出版している単語帳で、英検受験者には定番の参考書です。私は書籍の単語帳だけで暗記を続けるのは難しいと考え、スマホアプリの「mikan」も並行して使っていました。スキマ時間で単語カードのように使えるので、記憶の定着力が上がります。単語は1回では絶対覚えられないので、何回も何回も繰り返して覚えました。
「英検1級でる順パス単」だけでもかなりの単語カバー率ですが、さらに単語力を上げるため「究極の英単語 Vol.4 超上級の3000語」もやりました。こちらもスマホアプリの「究極の英単語【All-in-One版】」を主に使いました。
長文読解
正直、長文読解に関しては特別な勉強はしていません。準1級合格レベルの読解力があり、1級レベルの単語力があれば、あとは慣れだと思うので、時間を測って過去問を繰り返し解きました。過去問は旺文社の「英検1級過去6回全問題集」を使いました。こちらも英検受験者には必須の参考書だと思います。
・英検1級過去6回全問題集
リスニング
リスニングは、「英検1級過去6回全問題集」の問題を一通り解いたあと、その問題をひたすらシャドーイングしました。普段からTED動画を用いてシャドーイングを行なっていたため、そこまで難しいとは感じませんでした。
リスニングについては、もう少し数をこなしたかったので以下の参考書も使用しました。
・英検1級リスニング問題150
こちらも英検の問題を作成している旺文社が出版している本で、過去問と質の高いオリジナル問題が載っています。また1級のリスニング問題では、過去に出題された問題が再度出題されることがあるため、過去問をできるだけやっておくと有利になります。
ライティング
ライティングは1次試験の中でもかなり重要なパートです。英検はCSEスコアというもので合否が判定されるんですが、1次試験ではリーディング、リスニング、ライティングの3技能で各850点満点と、均等に点が配分されています。つまりライティングのたった1問の点数が、リーディングやリスニングの点数に匹敵するため、ここでの出来が合否を大きく左右します。またライティングの問題は、後述する2次試験の問題と非常に似ており、ここでしっかり勉強しておくと2次試験がかなり楽になります。
使った参考書は、以下の2つです。
・最短合格! 英検®1級 英作文問題完全制覇
・英検®1級 面接大特訓
過去問にもライティングの模範解答がありますが、レベルが高すぎてあまり参考になりませんでした。「英検®1級 英作文問題完全制覇」は、比較的平易な語彙や文法が使われており、様々なジャンルのトピックも網羅されているので非常に使いやすかったです。また、肯定・否定両方の模範解答があり、自分の好む立場の解答を参考にすることができます。
「英検®1級 面接大特訓」は、1級受験者にとっては2次試験におけるバイブル的な参考書ですが、ライティング対策としても使えます。「英検®1級 英作文問題完全制覇」には載っていないトピックを補完するような形で使用しましたが、2次試験ではこちらの参考書を中心に使ったので、1次試験の勉強の際にしっかりやっておいて損はないと思います。
2次試験
スピーキング
スピーキングは、1級合格を目指す上で1番苦労したパートでした。前述のとおり、私は留学経験もなく、英語を話す機会は今まで皆無だったので、いきなり英語面接を受けて突破するのは不可能だと思い、まずはオンライン英会話から始めました。1次試験を合格してから対策を始めても到底間に合わないので、1次試験の勉強をしているときから始めていました。
利用したオンライン英会話は「DMM英会話」です。値段もリーズナブルで、他社のオンライン英会話もいろいろ試しましたが、ここの教師の質が高いと感じたため選びました。スタンダードプランの毎日1レッスンで授業数をこなし、とにかく英語を喋ることに慣れていきました。
2次試験直前は、「バリューイングリッシュ」という英検2次試験対策に特化したコースがあるオンライン英会話も少し使いました。ここでは本番さながらの緊張感で模擬試験を行うことができ、講師からの的確なフィードバックもあります。
使用した参考書は、ライティングパートでも使用した「英検®1級 面接大特訓」です。この本はスピーチはもちろんですが、Q&A対策の考え方もしっかり書かれていて非常に参考になりました。また、私の場合はさらにトピックを網羅するため、以下の参考書も使用しました。
この本は「英検®1級 面接大特訓」と同著者が執筆している本で、ライティング用の本ですがスピーキング対策にも使えます。「英検®1級 面接大特訓」で使われている表現方法は変えずに、さらにトピックを学んでいきたい人におすすめです。
注意点として、これらの参考書のトピックは、少し本番と比べて易しい印象があります。本番ではもう少し捻った問題が出題されるので、最終的な仕上げとしては過去問を中心に解いていくのが無難かと思います。
試験本番のコツとしては、いかに自分の苦手分野を避け、得意分野で勝負していくかが重要だと思います。私の場合は、環境問題、エネルギー問題、男女平等などの話題が得意で、政治、経済の話題は苦手だったので、スピーチ前のトピックを選ぶ1分間は特に集中して得意分野を選ぶようにしました。本番では再生可能エネルギーのトピックがあったので、他には目もくれずそれを選び、すぐにスピーチの内容を考え始めました。得意分野であれば、Q&Aでも自然と答えのバリエーションが増え、言葉数も増えるので高得点に繋がります。
2次試験の結果は、スピーチ9/10、インタラクション9/10、文法と語彙8/10、発音6/10で合格でした。発音の点数が低く、まだまだ改善の余地がありますが、とりあえず現時点での力ではこの程度かなという感じでした。
まとめ
英検1級は時間こそかかりますが、しっかり対策して臨めば留学経験なしの純ジャパでも十分合格が可能です。
英検1級をとって何か劇的に変わったかと言えばそうでもないのですが、強いて言えば2次試験対策で自分の考えをいかに相手に分かりやすく簡潔に伝えるかなどの方法を勉強したことは、仕事におけるプレゼンなどで多少役に立っているかなと感じました。また英検1級をとったことで、どんな苦手なことでも努力すれば必ず達成できるという自信がつきました。
ただ、依然として英語のドラマや映画のセリフを完全に理解することは無理で、どんな話題でも英語でスラスラ話せるわけではないので、英検1級は通過点に過ぎず今後も英語の勉強は必要だと感じました。
資格は持っているだけでは役に立たないので、今後は英語を実務で使える環境を探しつつ、さらに英語力を磨いていきたいと思います!
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